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「働かないことは勝ち組か」 ほぼほぼ日記(157)

Posted on 2025年6月20日

あるネット記事だったのですが「あえて“働かないおじさん”という選択に踏み切った会社員の「新・勝ち組」の手法」という魅力的な(?)書き出し。記事に登場する人物は、かつてはがむしゃらに働いていたのですが、上司に失望して仕事をセーブすることに。表面的には真面目に出社するのですが「心がけているのは「言われたこと以外は絶対にしない」」ことなのだとか。大企業にお勤めのようで年収はそこそこあって、有給休暇もしっかりとれて、おかげで家族も喜んでいる。という内容です*1。

この記事を読んだときふと思い出したのが労働史の研究者である二村一夫先生の著作集(インターネット上に公開されています)。その中の「企業別組合の歴史的背景」から次の一節を引用させていただきます。

「イギリスの労働者の不満と日本の労働者の不満とては大きな違いがある。
ここで両者の違いとしてとくに問題となるのは、労働者個々人の能力差についての考えです。欧米の労働者の場合は、自分がいかに体力があり、技量がすぐれていても、1人だけ残業をしたり、能率をあげることはしない。もしそのようなことをすれば、仲間の仕事を奪い、賃金を切り下げる裏切り者ということになる。「他の連中があぶれないように、ゆっくり仕事をする」というのが当然のことと考えられている。ところが、日本の労働者は、能力に違いがあれば、稼ぎに違いが出るのは当然だと考えている。同じ差別反対といっても、日本の場合は、能力による差別であれば必ずしも、これを否定しない。日本の労働運動で、出来高給反対がなかなか大衆的な目標にならないのも、このためてはないでしょうか(原文ママ)。」

なるほど、国によってこれほどに違いがあるものかと考えさせられます。我が国では「能力」についての考えがのちに人事の仕組みとなって具体化していきます。戦後日本では「工職身分制廃止、企業民主化」を労働側が求めました。戦前にあった差別に対する強い不満のためでしょう。昭和20~30年代の激しい労働運動の結果として能力次第で誰もが上を目指せる人事(典型として能力主義人事)が昭和40年代以降に主流となりました。ところが、先の記事にあるように現代では、上を目指すことを拒否する傾向が「管理職になりたくない」「働かないおじさん」といった形で顕在化しています。

様々な社会情勢がそうさせるわけですが、かつての労働者が理想とした姿を、いまの労働者が否定する時代になるとは・・・。

*1 「言われたこと以外は絶対にしない」あえて“窓際社員”になった50歳。それでも年収は850万円」 日刊SPA! 2025/6/17

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