前に引き続き2025年版中小企業白書についてです*1。
今回は第2部の「新たな時代に挑む中小企業の経営力と成長戦略」についてです。白書の章以下のタイトルを一覧にすると下に記載したとおりで、ざっと見るとなにやら経営管理の教科書のような章立てだなぁと、まずは感じました。
それというのも、中小企業の労働生産性を高める政策として白書は次のように示したいのだろうと理解します。まず中小企業はスケールアップを目指すべき、そして大きな組織を運営するために経営管理をしっかり行えるよう経営者も勉強して、そして人材を獲得・定着させ、将来に向けて投資すべき、だと。経営の基本からしっかり、という内容であれば自然と章立ては教科書のようになるのでしょうか。
ところで、昨年度の白書には消えてしまった「事業承継」が今年度小さいながら復活し、逆に大きく取り上げられていた「M&A」が格下げになった感じがします。昨年M&A業界はいろいろ問題があったのでしばらくは積極的に触れにくいのかも?と思ったのは邪推でしょうか。
<第2部の章立て>
第2部 新たな時代に挑む中小企業の経営力と成長戦略
第1章 中小企業の経営力
第1節 経営戦略
1.製品・商品・サービスの差別化と外部環境を意識した経営戦略
2.経営計画の策定・運用
第2節 経営の透明性・開放性
1.組織運営
2.経営管理
3.経営の開放性
第3節 ガバナンス体制
1.企業類型
2.企業推計別のガバナンス体制、経営の透明性等への取組
第4節 人材戦略
1.人材の不足感
2.人材確保の取組
第5節 経営者の成長意欲
1.経営者のリスキリング
2.経営者ネットワーク
3.事業承継
第6節 まとめ
第2章 スケールアップへの挑戦
第1節 成長する中小企業が我が国経済に与える影響
1.賃上げ
2.域内経済への貢献度合い
3.輸出による外需の獲得
第2節 スケールアップに向けた課題
1.スケールアップ企業の実態把握
2.スケールアップに向けた課題
第3節 スケールアップに向けた投資行動と海外展開
1.設備投資
2.M&A
3.研究開発・イノベーション活動
4.海外展開
第4節 まとめ