日本のものづくりの精神は、想像以上に古くから続くようです。
伊勢神宮(外宮)の”せんぐう館”に正殿の原寸模型があります。
係の方の説明会があるというので、拝聴することにしました。
萱葺の屋根、千木や鰹木、棟持柱など次々に説明があって、その匠の技には目を見張るものがあります。
でも、どうしても気になるのは欄干に光る宝石のようなモノ。ヒノキや萱といった素材に比べて異彩を放つ宝石は、近くで目の当たりにして初めて美しさに気づきます。
係の方が、この宝石について説明してくださいました。
「この玉は赤・青・白・黄・黒の五色あり、国内で産出される銅と漆で作った工芸品です。もし外国でしか産出されない宝石が使われていたら、千年以上の歴史の中で供給が途絶えたかもしれません。神明造はすべて国内産の材料でつくられています。式年遷宮の営みを支えているのは、国内の材料を使って工夫を凝らす、日本人の技と心なのです。」
五色の据え玉に、古の時代から続くものづくり精神が宿っていました。
せんぐう館
http://www.sengukan.jp/